退職金は財産分与の対象?離婚時に財産分与できるものは?
退職金は財産分与の対象となりますか?離婚時に財産分与できるものは何でしょうか?
財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に夫婦双方の協力で形成した財産を分けることをいいます。
財産分与の清算の対象は結婚後に築いた財産です。
退職金も対象になります。
財産分与の対象は?
財産分与の対象となるのは、夫婦の「共有財産」(名実ともに夫婦の共有に属する財産)です。
また、「実質的共有財産」(名義は夫婦の一方に属するが、夫婦が協力して形成した財産)も対象となります。
例えば、専業主婦家庭のマイホーム等は、夫婦の共同生活の本拠であり、妻が財産形成に寄与していると考えられる以上、名義が夫の単独であっても財産分与の対象となり得ます。夫の退職金等も同様です。
財産分与の際、清算の対象となるものは以下のとおりです。
- 預貯金(解約時にお金が戻ってくる生命保険を含みます。)
- 不動産、有価証券、投資信託、会員権、価値の高い美術品や骨董品、退職金
- 医師や会計士、弁護士などの資格など
このうち、退職金(あるいは退職年金)については、給料の後払いという性格から、財産分与の対象となりますが、退職前のケースでは退職金がいくら支給されるのかが確定していないので、財産分与の額についてはケース・バイ・ケースになります。
また、「医師や会計士、弁護士などの資格」というのは、相手の収入に支えられて資格を取得したという場合に、これを共同で築いた無形の財産と評価して財産分与の対象とします。
結婚前の財産は?
他方、「特有財産」(名実ともに一方が所有する財産。婚姻前から有していた預貯金、相続で取得した不動産等)は、原則として財産分与の対象となりません。
結婚前にすでに自分でためておいた預貯金や結婚前に実家からもらってきた財産は、原則、固有財産と認められ、財産分与の対象外になります。
ただし、2人で生活していた間の生活費の不足分を、どちらか一方の(結婚前の)蓄えでまかない、片方の結婚前の預金はそのまま使わずに残しておいたという場合は、その残った預金は清算の対象になる可能性があります。
相手の協力があって自分の固有財産を使わずに維持できた場合も同様です。