財産分与・慰謝料の分割払いを求められたときの注意点は?
財産分与・慰謝料の分割払いを求められたときは、何を注意すればよいのでしょうか。
一般的にはどのように支払いが行われているのでしょうか。
財産分与や慰謝料などの支払いは、分割にせずできるだけ一括ですませる方がよいです。
やむなく分割にする場合でも、最初に支払う頭金を多くするなどの工夫を心がけるようにしましょう。
できるだけ早い段階で支払ってもらいましょう。
その夫婦の別れ方、あるいは支払う側の経済力や性格によっても事情は違いますが、離婚して別々に生活し始めれば、たとえ法律的に義務付けられたことでもおざなりになりがちです。
遠方に引っ越してお互いの距離が物理的に離れたり、再婚したりすればなおさら、支払いが滞るようなことにもなりかねません。
協議の結果、分割払いに決まったときには、支払時期、金額、方法など、取り決めたことを必ず強制執行受諾文言入りの公正証書として書面で残すようにしましょう。
このようにしておけば、万一相手が取り決めを守らないようなトラブルが生じても、公正証書に基づいて相手の財産を差し押さえるなどの強制執行が可能です。
証書には「分割金を1回でも支払わなかった場合は、残金を一括して支払う」のような一文を必ず記載すべきです(期限の利益喪失条項といいます。)。
このように、金銭的に決まったことや金銭面に関することについては、公正証書を作成することが大切です。
もし公正証書にしなかった場合で後日、財産分与や慰謝料をめぐりトラブルが発生したときには、相手方に内容証明郵便を送る方法もあります。
但し、公正証書にしなかった場合はいきなり強制執行をすることはできず、裁判をして判決を取得する必要がありますので、時間と手間がかかります。
したがって、分割払いで支払ってもらう場合は、特に公正証書にしておくことが重要になります。