姑の執拗な嫌がらせで離婚。姑にも慰謝料を請求できますか。
次のような事例を考えてみましょう。
姑の執拗な嫌がらせに疲れ果てました。
夫は姑の言いなりで、私の立場をあまり理解してくれません。
これ以上、夫婦生活を続けると、心労で体調を崩しそうです。
夫と離婚をしたいのですが、姑にも慰謝料を請求することはできるのでしょうか。
姑に慰謝料を請求することは難しい
本件で、姑に請求しても認められる可能性は低いと考えられます。
本件の事情のように夫側の家庭や姑が夫婦関係にやかましく干渉してきたために、結婚生活が破たんすることもあります。
そのような場合、離婚に際して姑に対して慰謝料請求することはできるのでしょうか。
慰謝料請求は、相手方の行為により精神的損害を与えられ、その原因が相手方にある場合に認められます。
実際のところ、姑が夫婦関係に干渉してきたために夫婦仲が悪くなり、離婚を決意した場合であっても、その姑の言動が著しく不当な干渉でない限り、慰謝料を請求することは難しいでしょう。
慰謝料請求が認められる不当な干渉といえるためには、客観的に見ても限度を超えた干渉であることが必要です。
姑が、主導的で積極的に介入して、夫婦関係を破壊させる方向に干渉したために、離婚するのが避けられない状況にあった場合には、例外的に慰謝料請求が認められる場合もあると考えられます。
夫に対する慰謝料請求が基本
夫に対する慰謝料請求が基本で、姑に対する請求は、あくまで例外的である点は注意が必要です。
姑に対する慰謝料請求は、夫への請求よりも困難であると認識しておくとよいでしょう。
姑との関係が離婚の原因の一部になったとしても、問題なのは姑よりも母(または両親)と妻の関係を全く理解できない夫の方だという場合もあります。
したがって、離婚することになった場合、夫に対しては慰謝料を請求することは可能でしょう。
但し、夫に浮気・不倫があった場合や暴力があった場合と比べて、慰謝料は低い金額になると予想されます。