養育費に基づいて給料を差し押さえる際の範囲が広がったと聞きましたが、具体的にはどのように広がったのですか。
調停や審判で養育費が決められても、実際には支払われないケースが半数近くあり、いかに養育費の支払を確保するかが社会問題となっていました。
このような背景より、法が改正され、平成16年4月1日から、差押えの手続が次のように変わりました。
まず、従来は、養育費に基づいて給料を差し押さえる場合、基本的に給料の4分の1までしか差押えができませんでした。
しかし、改正により、差押えができる範囲は2分の1になり(ただし、給料から税金、社会保険料を控除した残金が66万円を超える場合には、その額から33万円を控除した金額)、差押え可能な給料の範囲が広がりました。
さらに、従来は、差押えの際に請求できた養育費は、支払期限を過ぎた部分のみで、その後も養育費が支払われない場合、その都度、差押えをしなければならないとの不都合がありました。
この点も、改正により、一部でも不履行があれば、期限の到来していない将来の養育費についても、請求することができるようになりました。