増え続ける児童虐待に対応するため、子どもの保護の手続きに家庭裁判所の関与を強化することなどを盛り込んだ児童福祉関連法が、平成29年6月14日の参議院本会議で可決され成立しました。
改正法施行は、来年以降となります。
児童相談所は、現在も改善を指導できますが、保護者が反発するケースもあるため、家庭裁判所の関与により、指導の実効性を高めるようにします。
家庭裁判所は、児童相談所から改善状況の報告を受け、里親委託や施設入所などが必要かどうかを判断します。
上記のほか、虐待や育児放棄などを理由に子どもを保護者から一時的に引き離す「一時保護」の長期化が課題となる中、改正児童福祉関連法は、手続きの適正化を図るため、児童相談所が保護者の同意のないまま2か月を超えて保護する場合は家庭裁判所が審査することなどが規定されています。
児童相談所の判断の正当性を司法が担保します。
また、虐待を受けた子どもが保護者の元で生活を続けられる見込みがある場合には、家庭裁判所が児童相談所に対し、保護者に家庭環境の改善を指導するよう勧告できることや、保護者が従わない場合は家庭裁判所が子どもを児童養護施設や里親に預けるかどうかを判断するとしています。
さらに、子どもを虐待した保護者が子どもに近づかないよう都道府県知事が出す「接近禁止命令」の範囲を拡大しています。
現在は保護者の同意なしに施設へ入所させた場合などに限られていますが、同意に基づく入所や一時保護中も対象とされます。